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 島根県出雲地方は、古来より「たたら」と呼ばれる伝統技法による製鉄が盛んに行われていました。 
 明治以降、近代洋式製鉄法にその位置を譲るまで、島根県は全国の製鉄の中心地だったのです。 
 たたら製鉄とは粘土製の炉の中に、原料(砂鉄)と、燃料(木炭)を交互に装入し、砂鉄を溶かして鉄の塊を得る技術です。 | 
 
 
  
  たたら(蹈鞴)とは元来ふいご(風を送る道具)の意味ですが、後に炉や製鉄工場までもさすようになりました。その由来は大変古く、技術とともに大陸から渡って来た言葉のようです。 
  たたらや鍛冶、鋳物等に携わる人々は、金屋子神と呼ばれる鉄の守護神を信仰していました。 
 金屋子神は高天原から播磨国に天下った後、白鷺に乗って出雲国比田村の桂の木に飛来し、発見した安部正重らに製鉄技術を教えたとされています。 
  
金屋子神話民俗館 
安来市広瀬町西比田213-1 Tel:0854-34-0700(冬期休館) | 
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   安部氏が宮司となって金屋子神を祀った金屋子神社は、今なお全国の製鉄業者から篤い信仰を受けています。 
金屋子神社 安来市広瀬町西比田 Tel:0854-34-0700 
  
 
 雲南市吉田村の「菅谷たたら」は、映画「もののけ姫」に登場する「たたら場」のモデルとなりました。 
 ここには、たたらの製鉄炉と建物(高殿)が日本で唯一保存されており、たたら師たちの生活を今に伝えています。 
 菅谷たたらを経営していたのは、日本一の山林王といわれた田部家でした。 
 田部家は絲原家、櫻井家とともに「松江藩鉄師頭取御三家」と呼ばれました。 
 
菅谷たたら 
雲南市吉田町菅谷 
Tel:0854-74-0350 
鉄の歴史博物館 
雲南市吉田町吉田 
Tel:0854-74-0043
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山土を水で流して、比重の重い砂鉄のみを取り出します。 
  
斐伊川上流では、非常に良質な砂鉄が産出します。 
  
炉に砂鉄と木炭を交互に入れ、3昼夜燃やし続けて製錬。 
  
炉を壊し、砂鉄が溶けてできた塊(ヒ:けら)を取り出します。 
  
1回の操業でできるヒは2〜3トン。王鋼はその内約1/3〜1/2です。 
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