2026年06月11日 公開

2026年7月21日(火)、出雲大社神楽殿の「大しめ縄」が8年ぶりに架け替えられ、奉納される予定です。全長13.6メートル・重量5.2トンを誇る大しめ縄が新たに掲げられる貴重な機会で、奉納に向けて進む制作工程を見学できるのも大きな見どころです。
・菰(コモ)掛け
【時期】2026年6月中旬~下旬予定 【場所】飯南町大しめなわ創作館
・大撚り合わせ
【日程】2026年7月18日(土)予定 【場所】飯南町大しめなわ創作館
・出雲大社神楽殿 架け替え・奉納
【日程】2026年7月21日(火)予定 【場所】出雲大社神楽殿
※天候等により、日程が変更または順延となる場合があります。お出かけ前に、下記の観光協会サイトで最新情報をご確認ください。
大しめ縄を制作しているのは、島根県飯南町にある「飯南町大しめなわ創作館」。地域に息づくしめ縄文化と歴史を発信するこの施設では、出雲大社神楽殿へ奉納される大しめ縄の制作過程を間近で見学できます。
制作の舞台となる「飯南町大しめなわ創作館」は、出雲市から南へ向かった山あいに位置し、「道の駅頓原」に隣接しています。
・吉田・掛合ICから車で約30分
・出雲大社から車で約1時間
現地までの移動は車がおすすめです。
制作現場の飯南町と奉納の地である出雲大社。貴重な架け替えとなるこの機会に、両方を訪れてみてはいかがでしょうか。
本記事では、過去に取材した制作現場レポートを紹介するとともに、2026年の制作工程の進捗に合わせて、現場の最新情報を随時追記していきます。
2018年7月、6年ぶりの架け替え・奉納された出雲大社神楽殿の「大しめ縄」。その大きさは国内最大級で、全長13.6メートル、重量5.2トンに及びます。
この大しめ縄は、島根県飯南町で、前年の田植えから最終工程の「大撚り合わせ」まで約1年半の歳月をかけて制作。使用される稲ワラは、およそ1.5ヘクタール分にもなります。ここからは、2018年当時の制作現場を訪ねたレポートをもとに、大しめ縄ができるまでの工程をご紹介します。

しめ縄専用の水田から刈り取られる「赤穂餅」の稲
大しめ縄作りは材料となる稲藁(ワラ)を作るための田植えから始まります。「赤穂餅」というもち米の品種で、色艶が美しく粘りがあるこの稲藁を使います。成長すると人間の背丈ほどの高さになり、これを稲穂が実る前に収穫し乾燥させます。
また、飯南町は標高500メートルの高原地帯。昼夜の寒暖差によって美味しいお米が育つだけでなく、稲藁はしっかりと脂分を貯え、強くしなやかなものになります。2018年の架け替えでは、2017年5月に田植えが行われ、8月に収穫されました。

お祓いの儀式が執り行われ無事に伐採された飯南町産の檜
しめ縄を吊るす「吊り木」の素材は飯南町産の檜。4.5トンの重さに耐える必要があるため、木質に粘りがあり強度に優れた檜が選ばれます。さらに根元の太さは直径65センチ以上、かつ20メートル以上真っ直ぐに成長していることが条件になります。2018年の架け替えに向けて、吟味を重ねて選ばれたのは樹齢150年の見事な檜でした。

制作現場の「飯南町大しめなわ創作館」
2018年3月には、大縄の中芯作りが始まっていました。中芯にはしめ縄専用の「赤穂餅」の稲藁に加え、飯南町産のコシヒカリのハデ干し藁も使用されます。まずは、藁を束ねて直径30センチほどの長い束を何本も作ります。

1本作るのに1カ月以上かかる大縄の中芯作り
次に太さ4センチほどの麻ロープが入った藁束を一番中心にして、周りに藁束を重ねていきます。1束ずつ固くしっかりと締めながら徐々に太くしていき、直径1.5メートル、長さ16メートルの大きな束を2本作ります。

菰編み(写真左)と菰つなぎ(写真右)
中芯を巻くために編まれる菰(コモ)も縦16メートル、横3.6メートルとかなりの大きさです。菰には色艶よく美しい、質の良い藁を選別して使います。代々受け継がれる独自の技術で藁をしっかりと編み込み、つないでいき1枚の大きな菰にします。

2018年の取材時には、大しめ縄に取り付ける飾りとなる円錐形の「〆の子」も制作が進められていました。こちらも並みの大きさでなく、高さ1.8メートル、直径1.8メートル、重さ300キロ。1つの〆の子に使われる藁の量はおよそ1000平米分で、これを3つ作ります。
〆の子の形ひとつをとっても最終的な大しめ縄のプロポーションに大きく影響します。出雲大社の大しめ縄の優雅さは、作り手の経験と技術により生まれます。

2018年6月の取材時には、中芯と菰、〆の子が「飯南町大しめなわ創作館」いっぱいに横たわり、徐々に完成の姿が見え始めていました。7月の「大撚り合わせ」と「架け替え・奉納」を控え、出雲大社神楽殿の大しめ縄作りは、いよいよ大詰めを迎えようとしていました。
ここから先は、2012年7月の架け替え・奉納時の写真を交えながら、2018年当時に予定されていた最終工程をご紹介します。

「大しめ縄」と「吊り木」を固定するロープを隠し、見栄えを良くするために取り付けられる「飾り縄」。飾りといっても直径8センチの立派な藁縄で、全部で12本作ります。

菰で巻かれてキレイに仕上がった大縄
菰と中芯ができあがると、次は菰で中芯を巻く「菰掛け」が行われます。これが終わると大詰めの「大撚り合わせ」を待つばかりです。

大しめ縄を形づくる全ての要素が完成すると、いよいよ一発勝負の「大撚り合わせ」が行われます。作業場から引き出される大縄は1本1.7トン以上の重さです。
2本の大縄の元を支柱に固定し、片方をクレーン2台で持ち上げ、片方を人の力で転がして撚り合わせる作業が繰り返されます。緊張に包まれる現場の中、総勢80名でおよそ5時間に及ぶ作業となります。

吊り木に固定された大しめ縄がクレーンで持ち上げられます。型くずれなく吊り下げられているか、全体の形はどうか、緊張の瞬間です。大型の特殊トレーラーに積み、飯南町から出雲大社へ運ばれます。
通常のしめ縄は撚り合わせの時に〆の子を取り付けますが、あまりの大きさのため、セットした状態で搬送することが難しく、現地で取り付ける難作業となります。2018年の取材時点では、早朝8時頃に出発し、10時頃に出雲大社へ到着する予定とされていました。

大しめ縄の取り外し作業が行われる出雲大社の神楽殿
まずは古い大しめ縄が取り外されます。役目を終えた大しめ縄は飯南町の森へ安置され、やがて土に還ります。(場所は非公開)

新しい大しめ縄に〆の子を取り付け、飾り縄を取り付けて、全体を整えたら神楽殿の梁に吊り下げます。

最後に神楽殿の拝殿で神事が執り行われ、出雲大社の神職が紙垂を取り付けて奉納は終了となります。架け替えには丸一日を要し、終わる頃には日が暮れています。
<!–
※「大撚り合わせ」および「架け替え・奉納」は、天候等により日程が変更となる場合があります。

出雲大社神楽殿の大しめ縄が制作されている「飯南町大しめなわ創作館」は、しめ縄づくりの技術と文化を伝承する施設。しめ縄の制作・展示・販売を行っています。
2026年は、出雲大社神楽殿の大しめ縄制作に伴い、しめ縄作り体験を一時休止中。一方で、館内では完成へと近づく大しめ縄の制作風景を見学できます。全長13.6メートル、重量5.2トンという大しめ縄のスケールを間近で感じられる、8年ぶりの貴重な機会です。
施設の一角にはしめ縄をインテリアにアレンジした商品やアクセサリーなどを販売するショップも併設。旅のお土産探しに、ぜひ覗いてみてください。
<!–

しめ縄作りの体験は、子供でも短時間で簡単に作れるコースから本格的なコースまであり、職人さんが完成まで丁寧に教えてくれます。家庭の神棚や正月飾りに利用できるものも作ることができます。

簡単なデコレーションも楽しめる小型の「輪じめ」

出雲大社の大しめ縄と同じ本格的な「大黒じめ」
–>
〒690-3206 島根県飯石郡飯南町花栗54-2 [MAP]
TEL:0854-72-1017
【営業時間】10:00~17:00(年末年始を除き無休)
【入館料】無料
【交通アクセス】吉田・掛合ICから車で約30分/松江玉造ICから車で約1時間10分
※2026年は、出雲大社神楽殿の大しめ縄制作に伴い、しめ縄作り体験を一時休止しています。
【関連リンク】 ≫ 公式ホームページ
<!–
※しめ縄飾り製作体験は1人1500円から。10名以上での体験は要予約。
–>
飯南町の観光情報はこちら
≫ 飯南さとやまにあ(飯南町公式観光ガイド)